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曇天パッチ

『殴る、斬る、撃つ』 暴力エンターテイメント好きの視点

『超エロゲー ハードコア』

クソゲーシリーズ待望の新作。2005~2012年の間に発売されたエロゲーを、毎度お馴染みのクソゲーハンター達が紹介していくという内容。取り上げらているのは泣きあり、笑いあり、血しぶきあり、これでもかと自己主張してくる名作や怪作達。この一冊を読んでおけば、最近のエロゲー業界のトレンドを把握できるようになっている。

男ばかりでむさくるしかった工業高校時代、僕の心のオアシスはAVとアフタヌーンとエロゲーだった。「これ、凄いよ」と言われ渡された『Air』で号泣し、『大悪司』を徹夜で遊び、『沙耶の唄』でクトゥルフ神話への扉を開いた。あれから10年、エロゲー業界は更なる進化を遂げ、今も時代の最先端を走っている。

2013年になった現在は叙情的なだけではショップの棚で目を止めてもらうこともできない。あるゲームは哲人国家が行き着く未来を描き、あるゲームはツンデレを1ステージ上げた強気娘をますます先鋭化されていく。そして淫語はエクストリーム路線を突き進み、セックスの相手はついに人間でさえなくなった。

最低限のエロ成分さえあれば、あとは何をやっても許される。エロゲー市場とは、自由な発想と多様性が受け入れられる日本で唯一の場所だと言っても過言ではない。ユーザーが支えなければ、ロウソクの火のように消えてしまいそうな規模ではあるけれど、それゆえに作り手とユーザーの距離感は他のどの娯楽よりも近く、膨大な熱量を目の前で感じることができるのだ。この混沌とした市場の一端に本書を通して触れることができた。この混沌から次の10年でどんなものが生み出されるのか、想像もできないが、背筋をゾクゾクとされる期待感と興奮が確かにある。

超エロゲー ハードコア

超エロゲー ハードコア