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曇天パッチ

『殴る、斬る、撃つ』 暴力エンターテイメント好きの視点

月日の残酷さ『ALAN WAKE』


Alan Wake - Trailer (Game Trailer HD) - YouTube

 

2010年にXBOX360で発売され、アメリカ『TIME』誌で2010年ベスト・ゲームに選出。 
アメリカのド田舎へ旅行に訪れた有名作家アラン・ウェイクが、スーパーナチュラルな光と闇の戦いに巻き込まれながら、行方不明となった妻を探すサイコスリラー。スティーヴン・キングヒッチコックへのオマージュが満載という点で一部マニアが大喜びしたことでも有名。 

先日XBLAで本作の番外編となる『Alan Wake's American Nightmare』がセール価格で購入したこともあり、今更ながら手を出してみた。 
敵が「闇」というだけあって、ゲームの大半は夜のマップでプレイすることになる。ゲームにおける映像表現が向上したことにより、広大な世界を自由に探索するできるオープンワールドがトレンドとなっているなか、わざわざ視界が悪いマップを用意し、懐中電灯を使わないとまともに移動もできない、不便極まりない環境を作り出しているのが興味深い。 
この世界は現実と幻想どちらなのか、ウェイク自身は正気と狂気の間を彷徨っているのではないか。暗闇の中を歩くほど、ゲームはウェイクの内面へと踏み込んでいく。こうした心理描写をゲームに取り入れる場合、日常から断絶された環境を用意するのが効果的なのは、『サイレントヒル』や『バイオショック』のような成功例からも明らかだ。 
これは簡単なようだが、本作はマイクロソフトが発売元であり、それなりの開発費をかけ、大々的に宣伝をしたXBOX360の看板タイトルである。下手をするとゲームがこじんまりとした印象になってしまう設定をわざわざ採用する決断力を讃えたい。2010年を代表するだけのゲームだけのことはある。各エピソードの開始時に流れる「これまでのアラン・ウェイク」は海外ドラマブームの影響も垣間見れて非常に楽しめた。 

ただ3年という時間は残酷なもので、カットシーンの多さ、わざわざ足を止めないと楽しめないラジオやテレビ番組といった小ネタの数々は、今見ると少々古臭い。コントローラーを操作しない時間が多すぎるせいで、せっかく作りこまれた世界権への没入感は中断の連続のためやや薄い。これは残念であると同時に、ゲームの進化の早さを驚かされる。