曇天パッチ

『殴る、斬る、撃つ』 暴力エンターテイメント好きの視点

『METAL GEAR RISING REVENGEANCE』

 


小島秀夫編集予告編"RISING"-『METAL GEAR RISING ...

 

 

木を銃で撃つと、着弾した場所からぽっきりと幹が折れる。ブロックは好きな場所を切断することができ、断面までリアルに描画される。こういった技術デモをネットで見たのは6年ほど前だっただろうか。

見た目のインパクトはあるものの、ゲーム性にまで落とし込んでいる作品など一向に現れないまま、ついに2013年を迎えた。技術デモのことなどすっかり忘れていたが、そんなタイミングで『METAL GEAR RISING REVENGEANCE』は多くの苦難を乗り越え発売された。

元々はメタルギアシリーズのスピンオフ作品としてコナミの小島プロダクションが開発を発表。自由に敵を切断できる「自由切断」システムを売りにしていた。それが2011年にプラチナゲームスが急遽開発に加わることになる。小島プロダクションの若手達は自由切断をゲーム性に落とし込むことに失敗していたのだ。メタルギアシリーズを一通りプレイしている者からすると、シリーズ初の外注タイトルとなることには当然不安を感じたし、一度開発を断念した作品が面白いものになるなど想像できなかった。

そしてついに発売された期待の新作のデキはというと、2013年のアクションゲームシーンにおいて、日本製ゲームが目指すべき未来を、ゲーム性と同じく斬り開いた力作に仕上がっていた。敵を思いのままに切り刻める自由切断の爽快感は説明するまでもなく、白熱のバトルの末のオーバーキルは、次世代機と呼べるPS3とXBOX360が発売されて以降味わったことのない絶頂感に満ちていた。このオーバーキルは、誰もが知る名作『モータルコンバット』を超えたと言ってもいい。

発売まで紆余曲折あったにせよ、ゲームのビジュアル表現が向上したことによりリアル志向が大手を振って歩く昨今において、ここまでケレン味溢れるゲームを、日本のゲーム開発会社が生み出したことを誇りに思う。寝ている時間を惜しんでプレイすべし。フィニッシュヒム!